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2016年11月09日

シリアルアントレプレナーから学ぶ新規事業の立上げ・M&A

イベントレポート

守屋実事務所、代表の守屋実氏に、ASACにお越し頂き「Exit経験者から学ぶ事業拡大の戦略」というテーマでトーマツベンチャーサポートの粂田将伸氏と対談を行いました。今回は多くの起業家を中心にご参加頂きました。
 
▼自己紹介で自分の仕事観を熱く語る守屋実事務所代表守屋さん▼
                    
守屋さんは冒頭の自己紹介の中で「333」という1人1人が何か1つの専門家になって一度に同時に3社に貢献する働き方を提唱されていました。
 
❖333
 ・これまでは、30年かけて、一社を勤め上げた
 ・いまは、一生のあいだに、3回転職する
 ・これからは、一度に同時に、3社に貢献する
 
▼対談の様子▼


守屋さんがミスミで学んだ古い産業+ITという、新たな仕組み作りでラクスルの印刷事業が生まれたという創業秘話を共有頂きました。ラクスルは「Morning Pitch 2013 Grand Final」で優勝し、2014年に
最も活躍されるベンチャー1位に選ばれ多額の資金調達をしています。
 

どうやって、新規事業を成功させるのか?その仕組みとは?

新規事業の専門会社として守屋さんが創業したエムアウトでは、当時、新規事業を成功させる仕組みとして、開発→推進→参入の三つのステップに基づいて事業開発をされてきたとお伺いしました。
 
❖3つのステップ
  • 仮説ベースで実現可能性を机上検討する
  • それがいくつか出来たらそれらを実際に少額でマーケットに出してみて小さく始める
  • PDCAサイクルをまわし、それらが上手くいけば資金を投下して事業拡大をする。
 
そのほかにも、新規事業成功の鍵として
・工程別に分ける(ファクトリーオートメーション)
・自分では持っていないリソースを外部から調達する
・自分一人ではやらない
・とりあえず行動してみることが大事
などがありました。
 

成功するM&A戦略とは?

  1. 相手(Buy Side)を知る。買収企業側の事業戦略を分析し、相手が求めている事業領域、計画数字等を把握。それに沿って相手企業とのシナジー創出を検証する。
  2. 競争環境を構築する。M&Aの交渉では、1社ずつ当たるのではなく、同時並行で複数社に当たることが交渉力を生み出す。複数社の交渉過程で、買収先のニーズ、バリュエーションの水準感が分かり、交渉を有利に導くことができる。
  3. 顧客のポートフォリオを一枚のグラフででわかりやすくまとめたもののような社内の「見える化」ができている資料があれば、M&A後のPDCAを回すイメージができてM&Aにつながりやすい。
 
例えば、エムアウトが学童保育事業を東急電鉄に売却した時も、東急電鉄のM&A戦略のロジックを的確に分析したうえで、学童保育事業が東急電鉄の売上に貢献するということを数字に落とし込んで話を持っていき、最終的にM&Aに至ったそうです。
 

まとめ

・動物関連事業から学童保育事業、印刷事業まで今まで47の新規事業を立ち上げてきた経験を持つ守屋さんのお話は大変興味深かったです。守屋さんの成功する新規事業及び効果的なM&Aに向けての戦略のお話は、多くの起業家の方にとって実りのある話だったのではないかと思います。これからの守屋さんのますますのご活躍に乞う期待!
 

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